YOKO NAKAMURA
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YOKO NAKAMURA · 1934—2026

作家について

中村陽子(1934年11月8日—2026年6月24日)は、中学校で美術を教えながら、晩年まで制作を続けた画家である。

裕福な模型店の家に生まれ、ものをつくることと、美しく整えることが身近にある環境で育った。しかし戦争によって、それまでの暮らしと家業の基盤は失われた。戦後も実家の債務が長く生活を圧迫したが、絵筆を置くことはなかった。

教職に就き、人物、裸婦、花、静物、風景、建築、機械を描き続けた。制作は静かな余暇というより、日々の仕事と生活のなかに蓄積した活力や怒りを、色彩と形へ変換する行為だった。力強い輪郭、深い青や緑、燃えるような橙と黄土色。その荒々しい筆触のなかに、装飾、衣服、花への繊細な視線が共存する。

マティスやゴーギャンに通じる色彩と平面性、ピカソ以後の人体や空間の再構成など、近代絵画のさまざまな方法を自身の画面で繰り返し試した。ひとつの様式へ留まらず、対象ごとに異なる造形言語を選びながら、強さと繊細さ、美しさと怒りを同じ画面に保持した。

服装や身の回りのものにも美を求め、困難のなかでも感覚を手放さなかった。装うこと、描くこと、美しいものを選ぶことは、生活の圧力を生きる力へ変える一続きの営みだった。絵画に加え、陶芸と書にも取り組み、生涯にわたり制作を続けた。


1934
11月8日生まれ。裕福な模型店の家で、制作と美が身近な環境に育つ。
WAR / POSTWAR
戦争によって家業と暮らしの基盤を失い、戦後は実家の債務を負いながら生活と制作を続ける。
ART EDUCATION
中学校の美術教師として働きながら、絵画・陶芸・書を継続する。
2026
6月24日没。自宅とアトリエに膨大な作品群を遺す。